Koki Okino

わわわ

予想どおりに不合理

予想どおりに不合理

ダンアリエリー

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第1章 相対性の真相

 

・人は相対性で動く

(あの人より高い年収、可愛い恋人、学歴など)

 

例:
「フツメン」はイケメンの集団に入るとブサイクに見えます。しかし、ブサメンの集団の中に入るとイケメンに見えてしまいます。 

 

このように「フツメン」は、周りの集団によって「イケメン」にも「ブサイク」にもなります。

 

・A、A'(Aより少し性能が良い)、Bがあった場合、A'を選択する。

→Aと比較することでA'がよりよく見える

 

・3つの選択肢があったら2番目を選択しがち

 

 

第2章 需要と供給の誤謬

 

・人に何かを欲しがらせるには、それが簡単には手に入らないようにすればいい  

                “トムソーヤ”

 

・アンカリングによって需要と供給が決まる

 

(例:前に住んでいた住宅の価格と比較して、次の住宅の値段を決める)

 

例えば、こういうのがアンカリングの代表例です。

通常価格だと15,000円ですが、今だけ限定で、15,000円⇒9,800円!!
 

初めに15,000円という高い金額を出しておくことで、消費者にアンカリングがかかります。この状態で、先ほどよりも安い金額を提示すると、消費者は「安い!」と感じてしまうのです。

 

これは、先ほど紹介した『人間が「相対的」にしか判断できない』という性質も上手く利用していますね。

 

 

第3章 ゼロコストのコスト

 

・無理の力は恐ろしい

(例:Amazonの送料無料の効果は劇的だった。しかしフランスだけは効果があまりなかった。それはフランスだけ送料20円だったからだ。)

 

・無料と言われると損してでも、「目の前の無料」を取りに行ってしまう

 

 

第4章 社会規範のコスト

 

・社会的規範と市場規範を一緒にしてはならない

 

金銭的インセンティブと社会的インセンティブ

私たちが、金銭的な損得計算だけに基づいて行動しているわけではない。私たちは、お金のためではなく、人の役に立つことが楽しいから何かをするということも多いし、人から尊敬されたいとか、馬鹿にされたくないという動機で行動することも多い。

 

金銭以外のインセンティプで頑張っていた人に、金銭的インセンティプを与えた途端に、その人の労働意欲が下がってしまうということは、時々目にする。ある会社でいつも人の仕事を助けていて、多くの人から感謝されていた人が、そういう行いに対して、会社から報酬をもらうようになった途端、周りの人も本人も態度が変わってしまうということはいかにもありそうだ。金銭的インセンティブが社会的なインセンティブを押しのけてしまう可能性がある。

 

 

第5章 無料のクッキーの力

 

・社会的規範により、利己的な目的に拘らなくなる

(例:グループでご飯行ったら最後に一つだけ残る寿司)

 

 

 

第6章 性的興奮の影響

 

・飲酒時と性的興奮時には冷静な判断ができない

 

・性的興奮時には自分の性的欲求を満たす行為を優先する傾向がある

 

 

 

第7章 先延ばしの問題と自制心

 

・先延ばししたらやらない

 

・先延ばしの問題を自覚したら克服は可能

 

・決意表明することで、なりたい自分になる

(〇〇月〇〇日までに課題を終わらせる

 

 

第8章 高価な所有意識

 

何かを失う恐怖>何かを得る願望』という人間の性質を活かしたマーケティング手法は効果的!!

 

・『おためし価格』『30日間返金補償』ら所有意識を刺激する

 

・所有効果
→一度手にしたら、それを手放したくなくなってしまう。

 

 

第9章 扉を開けておく


現在バイアス
「ダイエットをしたいのにできない」「仕事や宿題をするのがいつもぎりぎりになってしまう」というのは、誰しもが悩んでいることである。ダイエットを明日からすると決めても、一日たてば、甘いものを食べる誘惑に負けてしまって、ダイエットの開始日を一日伸ばす。夏休みの前には、宿題をしてから遊ぶと決めていたのに、夏休みになるとつい先延ばしして、夏休み最後の日に慌ててやったり、宿題を提出できなかったという記憶を持っている人は多い。これは、行動経済学では「現在バイアス」と呼ばれている特性が原因である。私たちは、常「今」の楽しみを重視しすぎてしまう。少し遠い将来のことについては「合理的」な意思決定ができても、それが「今」になると今を楽しむということが重視されて、以前に決めた計画を反故にしてしまう。

 

 

第10.11章 予測の効果 価格の力

 

・「思い込み」が意志決定に影響される

 

人は「予想した」側面しか見ない傾向があります。これは「起こった出来事・事実」は変わらないのにも関わらずです。

 

AとBの2つのハンバーグがあります

A:ゴージャスな雰囲気のレストランで、スーツをパリッと着こなした男性ウエイターが運んできたハンバーグ。

 

B:大衆食堂で、プラスチック製の安っぽい皿に盛りつけられたハンバーグ。

 

どちらも同じハンバーグだったとしても、Aのハンバーグの方が美味しく感じてしまいます。
 

例2)
超一流のバイオリニストが、通勤ラッシュの駅前で演奏しても、足を止める人は5%も居ませんでした。
 

例3)
高い価格の頭痛薬は、安い価格の頭痛薬よりも、より効き目がある。 

 

これは、「高いものの方が良いだろう」という思い込みによって引き起こされている現象です。(これはプラセボ効果と言われていますね。)
 

これらのことから、サービスの品質や満足度は、「金額の高さ」「サイトの綺麗さ」、「パッケージデザインの綺麗さ」などによっても変わってくる可能性があるということが分かると思います。

 

 

 

第12章 不信の輪

 

路上で「現金差し上げます」という実験をしたところ、足を止める人が全然いなかった。
→なにか裏があるんだな、と猜疑心がはたらくそうです。

人は疑ってくる存在であると。
その不安を解消してあげることが大切なんですね。

 

 

第13.14章 私たちの品性について

 

・人は不正直で、ごまかしをする生き物だがそこに他人への迷惑が絡み、道徳感情が湧き上がると途端に正直になる

 

(例:ホテルに泊まって、いい感じのタオルやシャンプーをこっそり持ち帰りたくなっても

「お持ち帰りになるのはお客様の自由ですが、追加で発注するコストが発生し、新しく補充をするスタッフに多大なる迷惑をかけることになります。」
みたいな貼り紙があったら、辞める)

 

 

・お金が絡んでも人は正直になる

 

(例:会社のスティックのりを黙って持ち帰ることはできても同等でも現金は持ち帰ることはできない)

 

 

第15章 まとめ

 

従来の経済学は人々は合理的で、完璧な情報と計算能力を持ち、常に自分の満足度が最大になるように行動することが前提で考えられてきた。このような人物像をホモエコノミカスという。

 

ところが実際の経済はそうではない。実際の経済には予測とはズレがある。そのズレには一定の法則がある。そのズレを解明するのが行動経済学である。

 

 

参考になるページ

http://lifeshift-salon.com/predictably-irrational

https://kkusaba.com/hugouri/(←1番わかりやすい)

https://malodeth.com/reading/predictably-irrational/?amp